カキツバタ、ハナショウブ、アヤメの見分け方

このところ、めっきり暖かくなり、もうすぐ5月ですね。

5月になると、アヤメ類が美しく花を咲かせます。

 

いけばなでも、杜若(カキツバタ)、花菖蒲(ハナショウ)、菖蒲(アヤメ)は

花材としてよく用いられますが、

「どれもよく似ていて、見分けづらい!」という声も聞きますので、

それぞれの特徴や簡単な見分け方を確認していきたいと思います。

 

【花びら(花弁)】

最も分かりやすい見分け方は、「花びらの付け根」です。

カキツバタ:白い

ハナショウブ:黄色い

アヤメ:網目状の模様 (アヤメ→綾目と書くこともある)

 

 

カキツバタ

 

ハナショウブ

 

アヤメ

 

【葉】

カキツバタ:広幅で、葉脈は目立たない

ハナショウブ:中幅で、葉脈がはっきりしている

アヤメ:細幅(剣形)で、葉脈は目立たない

 

ちなみに、端午の節句にお風呂に入れるショウブ(菖蒲)とハナショウブ(花菖蒲)は

全くの別物で、ショウブはサトイモ科、ハナショウブはアヤメ科です。

葉がショウブに似ていて美しい花が咲くことから「ハナショウブ」と呼ばれています。

 

【自生地】

カキツバタ:湿地(浅い水中)

ハナショウブ:湿地&乾燥地

アヤメ:乾燥地

 

【草丈(高さ)】

カキツバタ:50-70cm(膝の高さ)

ハナショウブ:80-100cm(腰の高さ)

アヤメ:30-60cm(膝下の高さ)

 

【開花時期】

カキツバタ:5月

ハナショウブ:5月下~6月

アヤメ:5月

 

 

如何でしょうか?

全て「アヤメ科アヤメ属」なので、形状はよく似ていますが、

上記のポイントをつかめば、意外と分かりやすく、見分けることができると思います。

 

古流松月会では、生花のお稽古や研究会で、

カキツバタ、ハナショウブの伝統的な葉組みでの生け方も取り扱っていますので、

ご興味のある方は、是非ご連絡ください。