「いけばな」は、Japanese flower arrangementと訳されることもありますが、
海外でも「Ikebana」と翻訳せずに表現されることが多々あります。
これは何故でしょうか?
フラワーアレンジメントは直訳すると、「花を装飾する、整える」という意味で、
鑑賞物として、花を華やかに飾る行為/技術と言えます。
一方、いけばなは「華道」とも言われるように、
花を飾るだけでなく、
日本人の価値観や思想を反映した和の精神(≒誠信)を育む「道」なのです。
また、フラワーアレンジメントは「足し算の美学」、
いけばなは「引き算の美学」と言われることもあります。
フラワーアレンジメントは、多彩な色や種類の花材をたくさん使用し、
隙間を作らず、ゴージャスにデコレーションして、華やかに飾ります。
一方、いけばなは、簡素の追求にその本質があります。
不要なものをとことん削ぎ落し、
本当に必要なものを見極め、美を研ぎ澄ませる。
今風に言うと、ミニマルやミニマニストに繋がる思想と思います。
自由花などの近代いけばなでは、フラワーアレンジメントの要素も取り入れていますが、
元来、日本では世界に先駆け、Simple is bestという考え方を重視していたのですね。
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